「あぁ、それにしても金が欲しい！！」
初めて買った馬券で金の魔性の魅力に取りつかれてしまった中学生。
その後も、馬券を買えば当たるという状態がしばらく続く。
しかもほとんど馬連（１着と２着を当てる買い方。）で
的中させまくる。
平日には川崎競馬場にも繰り出すほどのめりこんだ。
ダービー・・・
金鯱賞・・・
安田記念・・・
宝塚記念・・・
エンプレス杯・・・
札幌記念・・・
神戸新聞杯・・・
毎日王冠・・・
京都大賞典・・・
秋華賞・・・
菊花賞・・・
エリザベス女王杯・・・
マイルＣＳ・・・
ジャパンカップ・・・
本当に今思ってもものすごい的中率である。
しかも、上記以外のレースはほとんど賭けていない。
買えば当たるのである。
この時、少年の中から高校生になったらアルバイトという
選択肢がまったくなくなってしまったことは言うまでもない。
時給８００円とかで働くことの意味がまったく
わからなかったのだ。
この時、少年は何が欲しくてギャンブルに身を染めたのか。
物欲はない。
ただお金が欲しかった。
何かを買いたいワケでもなく、
ただひたすら集めたかった。
食事にも困っていなかったし、
それなりに欲しいものは何でも買ってもらえた。
恵まれた幸せな家庭だったと思う。
しかし、恵まれた家庭だからといって
必ずしもその家庭から素晴らしい子供が育つのかといえば
そうでもないらしい。
その逆に、小さい頃から苦労して
そのおかげで大成するという話も珍しくない。
私は前者だった。
学校が終わったら麻雀、
週末になったら競馬。
今振り返ってみても、
我ながらどうしようもないと思う。
ちなみに麻雀は千点１００円というレートでやっていた。
今思えば、結構なレートである。
麻雀に詳しくない方もいると思うので
カンタンに言うと、
勝てば１日２万ぐらい入って負ければマイナス２万くらいになります。
得意技は大三元。
もちろんイカサマ。
ゲームが楽しいのではなく、
勝つことだけが楽しい。
お金が払えなくなってきた友人には
物納をさせていた。
そしてそのうち誰もいなくなっていった。
転落人生のはじめは順風満帆だった・・・・・。
