退職代行は何をやってくれるの?

退職代行は何をやってくれるの? 退職・退職代行

退職代行は退職できず悩んでいる人にとって頼りになるサービスですが、初めて利用する人も多く「何をやってくれるのか」は気になるところでしょう。

そこで「退職代行で何をやってくれて、何をやってくれないのか」について詳しく解説してみたいと思います。

【本記事は労働組合 私のユニオンの監修です】

退職代行は何をやってくれる?

退職代行で「やってくれる」ことを知る為には、退職代行とはどういったサービスなのかについて、まず知っておく必要があります。

退職代行とはどういったサービス?

我が国では従業員の会社を辞める権利は法律で強く守られています。

例えば、正社員など「期間の定めのない雇用契約」の場合、会社が認める認めないにかかわらず「退職意志を伝えてから二週間後に退職が成立」すると法律で定められていますし、契約期間が定められている契約社員の場合も「勤務を継続できないやむを得ない事情」があれば契約途中での退職も可能です。

退職代行はこれらの法律に従い「依頼者の代わりに退職意思を会社へ伝え、退職を確定させる」サービスです。

運営者でサービスは変わる

退職代行サービスの運営者は「株式会社などの民間企業・弁護士・労働組合」の3つがありますが、法律によって業務内容に制約を受けるため運営者によって対応可能なサービスに違いが出てきます。

  1. 民間企業が運営する退職代行
  2. 弁護士が運営する退職代行
  3. 労働組合が運営する退職代行

3つの運営者の内、民間企業が運営する退職代行は「依頼者の代わりとなる」ことも「会社と交渉する」ことも認められておらず「依頼者の要望を伝書鳩のように会社へ伝える(この事を「通知」と言います)」ことしかできませんが、弁護士と労働組合は「依頼者の代わり」に「会社へ交渉する」ことが法律で認められています。

その為、一口に「退職代行」といっても、下表のように通知しかできない「退職通知サービス」退職交渉もできる「退職交渉サービス」の2種類に分かれます。

運営者 提供サービス
民間企業 退職通知サービス
(通知のみ)
弁護士 退職交渉サービス
(交渉可能)
労働組合 退職交渉サービス
(交渉可能)

民間企業は「退職通知サービス」

民間企業は本人の希望を会社へ伝える「退職通知」により退職を確定させます。

正社員など「期間の定めのない雇用契約」の場合、法律の定めに基づき、会社が認める認めないにかかわらず「退職意志を伝えてから二週間後に退職が成立」するので、通知しかできない民間企業の退職代行でも退職は可能です。

弁護士と労働組合は「退職交渉サービス」

弁護士と労働組合は法律により「本人の代わりとなって会社と退職交渉」することができます。

民間企業では法的な権限がない「即日退職や有給休暇の消化を希望」している場合や「契約社員の方の退職」といった会社との交渉と合意が必要な退職にも対応が可能です。

退職代行で「やってくれる」こと

退職代行は依頼者の退職意志を会社へ伝えて退職を確定させるサービスですが、退職確定から退職完了まで必要となる手続き全般の調整を会社と行ってくれます。

ただし、民間企業の退職代行と弁護士・労働組合の退職代行では対応可能な業務に違いがあります。

    民間企業の退職代行でやってくれること
  • 退職連絡
  • 本人へ連絡しないで欲しい旨の連絡
  • 退職届の提出など退職時に必要な手続きの調整
  • 会社からの貸与品の返却調整
  • 離職票などの必要書類の発行依頼と請求
    弁護士・労働組合の退職代行でやってくれること
  • 退職連絡
  • 本人へ連絡しないで欲しい旨の連絡
  • 退職届の提出など退職時に必要な手続きの調整
  • 会社からの貸与品の返却調整
  • 離職票などの必要書類の発行依頼と請求
  • 即日退職などの退職交渉
  • 有給取得交渉

民間企業の退職代行は正社員など「期間の定めのない雇用契約の方」の退職代行は可能ですが、期間の定めがなくても「即日退職や有給休暇の消化を希望」している場合や「契約社員の方」の退職代行については法的な権限はありません。

「即日退職や有給休暇の消化を希望」している場合や「契約社員の方の退職」は会社との交渉と合意が必要になりますので、必ず弁護士または労働組合が運営する退職代行に依頼するようにしてください。

退職代行で「やってくれない」こと

退職代行は労働基準法や民法などの法律に沿った形で、依頼者にとって不利益な退職とならないよう円滑・円満に退職の承諾を取り付けるのがミッションです。

ご自身の代わりに会社と戦ってくれたり、ネガティブな感情を会社へぶつけてくれるわけでもなく、会社の不法行為を認めさせたり、必要な引き継ぎについて会社との間に入って調整をしてくれるわけでもありません。

それを踏まえ、以下のような業務については退職代行では対応していません。

    退職代行でやってくれないこと
  • 会社へのクレームの伝達
  • 会社都合退職にする交渉
  • 引き継ぎの代行
  • 退職金や賞与の支給交渉
  • 傷病手当金の申請交渉
  • 過去の未払い残業代の請求

この内、退職金や賞与の支給交渉、傷病手当金の申請交渉、過去の未払い残業代の請求は、弁護士や労働組合の退職代行であれば退職代行とは別料金で対応してくれる場合もありますので、希望する場合は事前に相談してみましょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

退職代行は「依頼者の代わりに退職意思を会社へ伝えて退職を確定させる」サービスで、退職確定から退職完了まで必要となる手続き全般の調整をやってくれますが、対応できる範囲は運営者(民間企業・弁護士・労働組合)によって異なってきます。

弁護士や労働組合の退職代行は依頼者の代わりに会社と退職交渉ができるのですが、民間企業の退職代行は依頼者の希望を会社へ伝えることしかできません。

  • 退職連絡
  • 本人へ連絡しないで欲しい旨の連絡
  • 退職届の提出など退職時に必要な手続きの調整
  • 会社からの貸与品の返却調整
  • 離職票などの必要書類の発行依頼と請求

といった対応はどの退職代行でも可能ですが、即日退職や有給休暇の取得交渉、契約社員の方の退職など会社との交渉が必要な場合は弁護士または労働組合が運営する退職代行に依頼することが必要です。

退職通知サービス」と「退職交渉サービス」の違いを把握した上で、ご自身が希望する退職内容と照らし合わせて退職代行選びをしてみてくださいね。