SNSなどを見ていると「退職給付金として最大400万円もらえる!」「退職給付金の受給をサポート!」といった広告が目に留まったことはありませんでしょうか?
こういった「退職給付金」については、高額な給付を受けられるとの謳い文句から詐欺ではないか?怪しい勧誘ではないか?という声も多く出ていますが、今回は最近よく目にする退職給付金サポートに関する「問題点やトラブルの実態」について紹介してみることにします。
退職給付金サポートは詐欺?怪しい?
「退職給付金サポート」について初めて見聞きする方もいらっしゃると思いますので、簡単にどんなサービスなのかについてまず見ておきましょう。
退職給付金サポートはどんなサービス?
退職給付金サポートとは、会社を退職した後に受け取れる可能性がある失業手当や傷病手当金といった公的給付金の申請手続きを専門家が支援する民間のサービスです。
退職給付金サポートのサービス内容
- 受給できる給付金の種類・金額を診断
- 必要な書類・申請書の作成支援
- 医療機関の紹介
- 申請手続きのアドバイス
退職給付金サポートの特徴としては、実際に給付金の申請手続きを代行するわけではなく、上記のようなコンサルティングサービスが主体となっています。
退職給付金サポートの問題点
退職給付金サポートをサービスとして提供している業者はいくつもありますが、
退職給付金は国の制度で1年以上働いているなどの簡単な条件を満たせば、最大400万円がもらえる。
というのがほぼ共通した「謳い文句」になっているのがほとんど。まずは、この謳い文句に潜むウソや詐欺的な要素を含む問題点について見ていくことにしましょう。
1.「退職給付金」という国の制度はない
まず知っておくべきなのは「退職給付金」という国の制度はないという点です。
退職給付金サポートの謳い文句を見ると、いかにも国で認められた制度を紹介する内容になっていますが、そもそも「退職給付金」という制度は我が国には存在しません。
退職給付金サポートのサービス内容を見ると、健康保険の「傷病手当金」や雇用保険の「失業給付」を総称して(業者が勝手に)「退職給付金」と呼んでいるだけですので名称に惑わされないようにしましょう。
2. 高額の報酬を要求される
退職給付金サポートを実際に利用してしまった方に状況を伺うと、“退職給付金”を受給する見返りとして、高額の報酬支払いを要求されています。
報酬額は業者によって異なっていますが、報酬の相場は “退職給付金”の受給額の30%〜50万円というケースが多いようです。
退職給付金サポートを利用して案内される「健康保険の傷病手当金」や「雇用保険の失業給付」は公的なセーフティーネットですので、誰でも健康保険組合やハローワークで無料で相談ができ、無料で受給できるもの。
数十万円という高額な報酬を払って受給するべきものではない、ということを知っておきましょう。
3. 不正受給で罰せられるリスク
さらに大きな問題となるのが、不正受給で罰せられるリスクです。
退職給付金サポートは医師との提携により各種給付金の受給条件を満たすようなアドバイスを行ってきますが、業者のアドバイス通りに進めていくと、本来受給対象にならないにも関わらず給付金を受給してしまう「不正受給」の状態になる場合もあり得ます。
不正受給となれば、健康保険の傷病手当金であれば 全額返還+延滞金の加算 が求められて最悪の場合は詐欺罪で刑事告発、雇用保険の失業給付であれば 受給額の3倍の返還 となる可能性もあります。
こういった給付金の申請を本人が行う以上「不正受給になるとは知らなかった」では済みません。リスクは全部本人が負わされているということを理解しておく必要があります。
退職給付金サポートは詐欺?怪しい?
「退職給付金サポート=詐欺」とは言い切れませんが、公的なセーフティーネットである傷病手当金や失業給付の受給をアドバイスする業務内容として高額すぎる報酬(受給額の30%〜50万円)を請求し、受け取っていることを考えると、公金を食い物にするサービスと言われても仕方ないでしょう。
繰り返しとなりますが、退職給付金という国の制度はなく、健康保険の傷病手当金や雇用保険の失業給付を業者が総称して「退職給付金」と呼んでいるに過ぎません。
こういった一見して公的制度であるかのような見せ方は、詐欺とは言い切れなくても「詐欺的で怪しいビジネス」として見るべきでしょう。
国民生活センターの注意喚起も
実際、退職給付金サポートを利用したことによるトラブルも多発しています。
国民生活センターでも2025年12月に「退職給付金サポート」に対する注意喚起を行っていますが、
- 業者が言っていたような給付金がもらえなかったが、高額なサポート費用を請求された
- 失業保険の申請サポート契約が怪しいと気づき、解約を申し出たら高額な違約金を請求された
- 業者からうつ病と診断されるためのマニュアルが送られてきたが、これは不正受給や詐欺になるのでは?
といったトラブルの相談が年間400件ペースで国民生活センターへ持ち込まれている状況です。
-不正受給を促すかのようなケースも!-
こんな時は要注意
特に以下のような内容が該当する場合は利用を避けるのが良いでしょう。
- 「退職給付金」というワードを使う
- いくら給付金がもらえるか診断をさせる
- 「医師の診断書が重要」だからと、特定の医療機関の受診を勧めてくる
- 5万円以上のサポート料金を要求してくる
- 契約を急がせてくる
退職給付金サポートの利用については、業者から高額の料金や違約金を請求されたり、不正受給に巻き込まれないよう、細心の注意を払うようにしましょう。

