私自身、総務部長として社員のメンタル不調に向き合い続けてきましたが、その経験から言えることは「会社に行けない」状態は、心と体が発している正直なSOSだということ。
この記事は「会社に行けない朝」と日々戦っている方へのアドバイスです。
あなたが今感じている「辛さ」を解決する為にやって欲しいこと、考えて欲しいことをまとめていますので、ぜひ最後までご一読ください。
「会社に行けない朝」は甘えではない
この記事を読んでいる今のあなたは、こんな気持ちの中にいるかもしれません。
- 「会社に行かなきゃ。でも体が動かない」
- 「起き上がれない。でも休むのが怖い」
- 「こんなはずでは。自分が情けない」
結論から言います。「会社に行けない朝」は、甘えでも怠けでもありません。
これまで多くの社員が「会社に行けない状態」になる場面を見てきましたが、その人たちに共通していたのは「真面目で責任感が強い人ほど、自分を責める」ということでした。
体が動かなくなるのは、限界まで頑張り続けてきた証拠。「情けない」と思う必要はなく「それだけ消耗した」ということです。
「行けない」には段階がある
「会社に行けない」という状態は、一種類ではありません。今自分がどの段階にいるかを知ることが、次の行動を考える出発点になります。
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- 1気が重いが、なんとか行ける状態
- 「行きたくないな」という気持ちはあるが、体は動く。一時的なストレスや疲労が原因の可能性。
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- 2体に症状が出て、行くのが辛い状態
- 起き上がれない・吐き気・動悸・涙が止まらないなど、体が拒否反応を示している。
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- 3症状が何日も続いている状態
- 1〜2日ではなく、毎朝この状態が続いている。医療機関への相談を真剣に検討する段階。
今この記事を読んでいる方の多くは、② や ③ の状態にあるかもしれません。その場合は、まず「無理して出社する」という選択肢を外すようにしてください。
今朝の自分がどの段階かを確認する
以下に当てはまる項目を確認してください。該当する数が多いほど、休息が必要なサインです。
体のサイン
- 朝、布団から起き上がれない・体が鉛のように重い
- 会社のことを考えると吐き気・動悸・頭痛がある
- 会社のことを考えると理由なく涙が出る
- 食欲がない・眠れない、または眠りすぎる
- 休日は普通に過ごせるが、仕事の日の朝だけ症状が出る
心のサイン
- 「消えてしまいたい」「もう終わりにしたい」という気持ちがある
- 仕事以外のことにも楽しみや興味が持てなくなっている
- 自分を責める言葉が頭の中でループしている
- この状態が2週間以上続いている
当てはまっている項目が3つ以上あれば赤信号。
「仕事の日の朝だけ症状が出て、休日は普通に過ごせる」という状態は、特定のストレス要因(職場)に対して心身が反応しているサインです。
「本当に病気なのか?」と疑う人も多いのですが、これは適応障害の典型的な症状のひとつ。「休日は平気だから大丈夫」ではなく「職場が原因で体に症状が出ている」と受け止めてください。
一人で抱えこまず、今すぐ、よりそいホットライン(0120-279-338、24時間対応)または、かかりつけの医療機関に連絡してください。
「会社に行けない朝」にやること
体に症状が出ている場合、今日やることはシンプルです。「会社に行けない朝」の3ステップをご紹介します。
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- 1会社に「休む」連絡をする
- 詳しい理由は言わなくて大丈夫。「体調不良のため本日休ませていただきます」の一言で十分です。電話が辛ければメールやLINEでも構いません。連絡するのが怖い場合は、このあと紹介する「会社への連絡の仕方」を参考にしてください。
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- 2今日は「休む」と決めて、罪悪感を手放す
- 休んだことへの罪悪感でいっぱいになりがちですが、今日一日は仕事のことを考えない。スマホの通知もオフにする。「回復のための時間」と位置づけて、ゆっくり過ごして休んでください。
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- 3症状が続くなら、医療機関に連絡する
- 体の症状(吐き気・動悸・不眠など)が数日以上続いている場合は、心療内科・精神科への受診を検討してください。「診断書があれば休職できる」という選択肢が生まれます。受診のハードルを下げるために、オンライン診療の活用もおすすめです。
その後、考えておくこと
「今日休む」の次に、少し先のことを考えておく必要があります。以下を参考に、自分の状況を整理してみてください。
| 状況 | まず検討すること |
|---|---|
| 数日休めば回復しそう | 有給休暇・欠勤で対応。上司に相談して休む期間を確保する |
| 2週間以上休みが必要そう | 医師の診断書をもらい、休職を申請する。傷病手当金の受給も検討 |
| 職場環境が原因で改善がない | 休職した後に、冷静になってから退職・転職を検討する |
| 体の症状が思わしくなく仕事ができない | まず医療機関を受診し、診断書をもらってから会社へ相談する。休職および傷病手当金の受給も検討 |
「退職か休職か」で迷っている人も多いと思いますが、体の症状が出ているうちに退職してしまうと、次の仕事を探す気力もなく、しばらく動けない状態が続くことがあります。
症状がある間は、まず「休職+傷病手当金」で時間と収入を確保し、体調が落ち着いてきてから先のことを考えるのが良いでしょう。
「傷病手当金」という選択肢を
傷病手当金は、健康保険に加入している会社員が利用できる制度です。
医師が「労務不能」と判断して休職する場合、給与の約2/3を最長1年6ヶ月受け取りながら休業することができます。

「休職したら会社に居づらくなるのでは」という不安を持つ人も多いですが、11年間の総務実務の経験から言えば、多くの方が傷病手当金を受給しながら休職を経て復職しています。
傷病手当金は「逃げ」ではなく、治療のための前向きな制度です。
会社への連絡の仕方
経験上、会社や上司へ「連絡すること自体が怖い」という人は少なくありません。そういう場合は、以下の内容を参考にして最低限の連絡を入れてください。
おはようございます。〇〇です。
本日、体調不良のためお休みをいただきたいと思います。
ご迷惑をおかけして申し訳ありません。
よろしくお願いいたします。
これだけで十分です。状況や理由を詳しく説明する必要はありません。相手に「何と思われるか」を気にすることはやめましょう。
さらに何日か続けて休む場合、毎朝連絡するのが辛くなります。その時は以下のように伝えてみてください。
しばらく体調が回復しない状態が続いています。
医療機関を受診する予定ですので、結果が出次第ご連絡いたします。
その間、毎日の連絡が難しい状態ですが、ご了承いただけますでしょうか。
総務側の立場から言うと「体調不良」という連絡は十分な理由です。詳しい病名や状況を最初から説明する必要はありません。
医療機関を受診して診断書が出た段階で、あらためて会社に相談すれば大丈夫です。
休んだあとにすること
休んだあと、少し落ち着いたタイミングで以下の点について確認しておくと、次のステップが見えやすくなります。
- 会社の休職制度・有給残日数を確認
就業規則に休職期間・休職中の待遇が記載されており、有給残日数は給与明細や社内システムで確認できます。この2つを把握しておくと、どのくらい休めるかが見えます。 - 傷病手当金について確認
医師に「労務不能」と診断されれば、給与の約2/3が最長1年6ヶ月支給される傷病手当金は「お金がなくて休めない」という方に知ってほしい制度です。詳しくは当サイトの傷病手当金の記事をご覧ください。 - 医療機関への受診を検討
「病院に行くほどではないかも」と思いがちですが、体に症状が出ている場合は受診のサイン。心療内科・精神科は予約が取りにくいこともあるため、早めに連絡しておきましょう。オンライン診療なら自宅から受診できるのでおすすめです。
確認しておきたい3つのこと
まとめ:休むことは前向きな選択です
「会社に行けない朝」を迎えることは、怠けでも甘えでも、情けないことでもありません。
総務の責任者として11年間「会社に行けない状態」になる方を何人も見てきた経験から言えることは「早く休んだ人のほうが、早く回復している」という事実です。
「今日休む」という選択は、逃げではなく、自分を守るための前向きな行動。まず今日一日、ゆっくり休んでください。次のことは、それからで大丈夫です。


